父親から見たエデュコでの受験体験記

30期生(2023年卒) 受験生・保護者(父)

 「かわいい子には旅をさせよ」という言葉からは、我が子を愛しく思う親の気持ちを感じます。「他人の釜の飯を喰わせろ」という言葉からは、我が子に強く育って欲しい親の気持ちを感じます。我が家の中学受験は後者でした。それが良いと実感したのは、現在高校1年生の長男が中学生の時、自分の意思でキックボクシングを始めたことでした。とても人間関係の濃いジムで、長男はジムの経営者やプロ選手に、父親の私も滅多に行かない焼肉に頻繁に連れて行ってもらうようになりました。そうすると、今まで幼く感じていた長男がメキメキと自立し成長するのを感じたのです。やはり子供は親から離れて、他人の釜の飯を食べることで成長すると、少し淋しいながらに感じた瞬間でした。


 そのことがあり、次男が「将来男子校に行きたい」と言ってエデュコに通い始めてから最後まで、受験指導はエデュコに任せっきりでした。私たち夫婦は息子が何を勉強しているのかも知らず、次男の自主性に任せていました。エデュコが他人の釜として良いと思ったのは、先生方がいつも色々な雑談をし、知恵を授けてくれることです。それを息子が家で披露してくれることがとても面白く、「ああ、本当の大人からいい影響を受けているな」とうれしく思っていました。
 息子が自宅で話す「テッカが….」、「ETが….」、「マッタケが….」等々という楽しい話を聞いて、クラス内での活き活きした様子が伝わり、私たちを安心させてくれました。息子はエデュコで初めて学校の先生以外の大人達に接して、大きな影響を受けたことは想像に難くありません。それはとても良い影響だったと思います。


 5年生くらいの時、息子に「一緒に勉強する?」と聞いたことがあります。でも「自分でやるから、いい」と言われて、それ以来、息子の勉強に関わるのはやめました。また、勉強している時に部屋のドアを開けると嫌そうにするので、私と妻は「鶴のおんがえし」と呼んでいました。
 息子はいつのまにか第一志望校を決めていました。エデュコの先生から良い評判を聞いて決めたのかなと思い、決めた理由を聞くと、「都心の真ん中のいいところにあって、そういうところに毎日通いたいから」と言いました。普通、校風とか言うんじゃないの?とは思いましたが、そういうことも一つのきっかけで、我が子の感性でそう思ったのであればそれでいいだろうと思いました。


 冬期講習が始まりました。午前10時から午後7時までという大人の仕事よりも長い塾生活。しかし、過去問演習が遅れていたらしい息子は、講習に通いながら、休み時間に宿題をやり、帰ってきてから過去問をやっていました。その馬力に私は圧倒され、この子はいつのまにかエデュコで鍛えられ、私の知らない世界に飛び立とうとしているんだなと感じました。その姿を見て私は、受験の結果がどうであっても、この子はどの学校でも逞しくやっていくだろうと安心するようになりました。そして、それだけ鍛えてくれたエデュコに感謝しました。


 試験本番となり、前日や当日に息子の今まで私たちに見せたことのない緊張する姿を目の当たりにし、色々と声を掛けましたが、その気持ちを解きほぐすのはとても難しいことでした。ですので、先生方の駅での激励で息子がとても勇気付けられ、それが私たちにとっても大変心強く、支えになりました。


 中学受験という大きな選択を乗り越えた今、最後までコツコツと頑張り続けた息子を、そして心配性で中学受験に全く向いていない妻を最後まで引っ張り続け、挑戦を続けた息子を大いに誉めてあげたいです。しかしながら、何よりも「一人で大丈夫だから」という息子をかわいそうだと送り迎えを続け、道すがらテッカについて友達のように息子と二人で話し続け、ずっと美味しいお弁当を作り続けてくれた妻への感謝の気持ちで一杯です。