息子の受験

29期生(2022年卒) 受験生保護者(⺟)

 息子は4年生の夏休みからエデュコに入会しました。そこからの2 年半、山あり谷あり(というよりも、実際は谷底を歩くばかり)の受験生活でした。この体験記が、成績が伸びない、ゲームがやめられない、幼くて受験を完走できるか不安、そんなご家族の参考や励みになったら嬉しいです。


 2歳上の娘がエデュコに入会しておりましたので、息子も4年生の夏に入会テストを受けました。小学校の勉強は問題なくできていたので、大丈夫だろうと思っていたら、中学受験生の得点分布からみると、達成度が不十分であることがわかりました。どうしよう、息子の中学受験はいばらの道かもしれない・・・と思いましたが、のんびりした息子だからこそ、できればのびのびと私立で6年間過ごして欲しいと思い、中学受験を決意しました。


 そんなスタートでしたので、成績が伸びないことは仕方がない、と腹をくくっていました。先生の授業は楽しく、お友達ともすっかり仲良くなり、塾に通うことはとっても楽しそうでしたが、家庭での学習は、目を離すとさぼってばかり。4年生のころは、解答を写す、宿題をやったように見せかける(初めと終わりだけ解いて、間のページを飛ばす)など、いかにさぼるかに知恵を絞っていました。仕方ないので、息子はリビング学習とし、宿題のチェックを欠かさず行い、その日のやるべきことが終わったらゲームができるという日課になっていました。


 塾は楽しいけれど、中学受験がしたいわけではない息子の成績は伸びるはずもなく、いつも下位をうろうろ。それでも親の意向で受験させているのも事実なので、強制することなく見守ろうと努力しました(内心では、もう少しやってくれたら伸びるのに・・・と、思っていたのでゲームしている息子にしょっちゅう腹が立ちました)。


 受験させたい親と、なんとなく始めてみたけれど真剣にならない息子は、1か月に1回くらいは「受験する」「辞める」の喧嘩や言い合いをしていました。すでに私立中学で思いっきり楽しい学生生活を過ごしている娘を見ていると、息子にも同じようにのびのびとした環境で学んでほしいと思ってしまうけれど、本人は辛くて辞めたいと言っている。本人の意志を尊重すべきなのだろうか・・・と悩んだときは、先生に面談して頂きました。面談は、子どもの状況について相談に乗っていただいているようでも、実際は、親の不安や悩みを聞いていただく時間だったように思います。息子に対しても、愛のあるアドバイスがいただけて、見放されていなんだ、なんとかついていくぞ!と、親が何度も元気をもらいました。


 息子が少しだけ本気になったのは、学校見学を本格的に始めてからだと思います。コロナで見学の機会がなかなか得られず苦労しましたが、はっきりと憧れや目標が出来てからは、それ以前よりは学習に取り組んでくれるようになりました。私も、偏差値や通学路を考慮して、受験の可能性がある学校はできる限り見学に行くようにしました。(10校以上、見学しました。)


 そして迎えた1月受験。初めての経験で緊張していたと思いますが、全部で6回試験を受けました。その中で3 回目の受験校では筆箱を忘れるという大失態。試験官の先生に申し出て問題なく受験できましたが、ここまで幼くおっちょこちょいだとは驚きでした(それでも、合格が頂けたのでありがたかったです)。


 1 月校の合格をお守りに、迎えた本命2 月受験。合不合判定テストではいつも合格確率20パーセント。だめなら1 月校に進学すれば良し!と思い切ってチャレンジしました。


1日 手応えあったと言うが、不合格。まだチャンスはある、と前向き。
2日 午前不合格、午後も不合格。さすがに堪えたか気落ちした様子。
3日 難しかった・・・という感想通り、不合格。明日の試験どうしよう。
4日 当初の受験校から偏差値をぐっと下げて受験するも不合格。


 4日の不合格の結果を見た後、息子は泣いて自分の部屋に閉じこもっていました。連日の不合格で私も疲れ果てていたので、かける言葉も見つからず、そっとしておくしかありませんでした。しばらくして部屋から出てきた息子は「明日はもう行かない。1月の学校に進学したい」と言い出しました。見守ってきた私としても、不合格が出るたびに子どもが否定されているような気持になり辛かったので、息子の申し出に迷いました。それでも、先生からの電話では、5日は受けないとは言い出せなかったようで、最後の受験にチャレンジすることになりました。


 ぼさぼさの寝ぐせ、腫れた目で臨んだ受験最終日。試験会場から出てきた息子は、にこにこ笑顔でした。「受かってないかもしれないけれど、先生のアドバイス通りにできた。僕、やりきったよ」もうその言葉と笑顔だけで、子どもの成⻑を感じられ、幼かった息子が一回り大きく見えました。


 息子には申し訳ないのですが、2 月の四連敗で迎えた第一志望校の3回目受験。倍率が高く、合格の可能性は低そうだし、家族みんなでここまでがんばったから「中学受験御疲れ様会」でもしよう、と合格発表前に外食。発表の20時に諦め半分で合格発表を見ると、まさかの合格。家族4人でびっくりし、慌ててお会計を済ませて家に帰り、家でもう一度受験票を片手に確認し、間違いではなかったと喜び合いました。


 この受験を通して、たくさんの葛藤がありました。息子のいろんな面を知ることが出来ました。私も忍耐強くなりました。何より、諦めないことが大切だということを、身をもって学びました。泣いたり笑ったり、心穏やかな日が無い2 年半でしたが、親子で過ごしたこの時間は、終わってみるとよい思い出になりました。


 あきらめずに完走できたのは、エデュコの先生方、スタッフの皆様のお陰です。お弁当箱を置いて帰る(戻ってきたお弁当箱は洗ってあり、その気遣いに脱帽でした)、友達の教科書を持ち帰る、返却されたテストさえ忘れて帰る息子に、スタッフのみなさんが親切にしてくださったことが本当にありがたかったです。


 教えて頂いた先生方にも、たくさんの愛情を頂き感謝しています。受験当日の激励で、先生を見上げる息子の真剣な表情は、それまでの信頼関係と尊敬が感じられました。先生方に、「勉強のやりかた」を教えてもらった息子は、きっと中学からは今より自分で勉強してくれると思います。裏切らない大人、応援してくれる大人との出会いは、宝物になったと思います。


 最後になりましたが、習い事、学校、エデュコの具体的なお話を箇条書きで書いておきます。


・習い事
週5回、水泳に通っていましたが、息子は両立できないと言ったので、6 年生の5月いっぱいでお休みしました。泳いでいた時はやせ型でしたが、受験終了までに10kg 増えて、洋服は全て買い換えました。
・小学校
宿題や課題については、担任の先生が中学受験に理解のある先生だったので、ご相談の上、冬休みは提出しなくてよいことになりました(それまではできる限りやっていました)。また、コロナが流行してしまったので、受験が終わるまで三学期は登校させませんでした。
・エデュコ、その他
総合回テストが良くなかった時は、次回努力賞のチャンスです。努力賞を取ると自信が回復していました。
答案練習会に参加していましたが、我が家にはやや難しかったので、1 月だけはお休みして志望校の過去問に集中しました。
子供が親の話を聞いてくれない時は、先生と面談し、先生から子供へ話してもらいました。息子は「居残りスト」に選ばれること、テッカのお部屋に入れることをとても喜んでいました。
時間は減ったものの、ゲームは受験中まで毎日やっていました。
(毎日15分×4回程度は、息抜きと思って目をつぶりました。その時間を勉強に・・・と思っ たことは言うまでもありません。)


 もう我が家には小学生がいないので、エデュコに通えなくてさみしいです。これからは、二十歳の集いで成⻑した自分を見せられるよう、娘も息子も学生生活を謳歌してくれると思います。
 いろんな意見のある「中学受験」ですが、エデュコとの出会いで、素晴らしい経験が出来たことを、家族全員が喜び、感謝しています。息子と仲良くしてくださったお友達、先生、スタッフの皆様、ありがとうございました。
 そして、今、受験に向かって進んでいるご家族の皆様、こんな我が家でも最高の受験体験が出来ました。どうぞ、エデュコを信じて、お子様を信じて、突き進んでください。