エデュコへ楽しく通った三年間

28期生(2021年卒) 受験生 母

 小学生時代はのびのびと。そのように考えていた我が家にとって、過酷なイメージのある中学受験は別世界のものでした。ところが、結果として息子が三年間エデュコにお世話になり、この素晴らしいご縁に恵まれたことをとても嬉しく思っています。


 息子が小三の夏、唐突に「四年生になったら塾に行かせて欲しい。中学受験がしたい。」と言い出した時、夫も私も驚くとともに高校受験で充分であると大反対をしました。それでも、勉強を頑張りたいと涙ながらに食い下がる息子。そのような思いに至ったのにはいくつかの要因が挙げられますが、中でも近所の先輩が中学受験に挑むと聞き、刺激を受けたことが大きかったと思います。


 しばらく静観していましたが、秋になっても受験熱が冷めなかったので、ならば力試しに全国統一小学生テストを受けさせてみようと思い、テスト会場としてお世話になったのがエデュコとの出会いでした。テストの結果入塾可とのことで、親子で体験授業に参加しました。齋藤先生のテンポ良く楽しい授業内容に、息子だけでなく夫も魅力を感じていました。


 その後、まだフワリとした軽い気持ちで説明会に申込みをしたところ、なんと当日は甲斐先生とマンツーマンでしたので、襟を正して臨みました。冒頭、先生の優しいお声による「卒業生の手記」の朗読から始まったので、内心変わった塾だなと思いつつ耳を傾けていますと、私の心がグイグイと引き込まれていき、受験を通して貴重な経験をした少年は、きっと今頃、素敵な青年になっているのだろうなと、勝手に想像を膨らませました。
 先生が「合格はもちろん大切なことではありますが、中学受験の意義はそれだけではありません。」という趣旨を仰っていたのですが、受験が終わった今、正にその通りだと感じています。中学受験を一言で表すとするならば、「親子の成長物語」と言えるのではないでしょうか。
 息子の挑戦をまずは応援してみよう、そのような気持ちで新四年生の二月にエデュコ生の仲間入りをしました。


 さて、張り切って入塾した息子ですが、すぐに算数のレベルの高さにもがきはじめました。いつもは陽気な息子が、机上の格闘技かと思わせるほど、時に悔し涙を流しながら予習シリーズと向き合っているのです。間違えることに強い拒否反応を示していたので、夫も私も「間違えることは恥ずかしいことではないよ。そこから学んでいけばいいのだよ。」と繰り返し伝えていきました。
 算数クラスは、習い事の関係で最初の二ヶ月は齋藤先生に、その後は湯田先生にお世話になりました。入塾して一ヶ月した頃、齋藤先生に個人面談をお願いしたところ、「授業中とっても良い表情をしていますよ。自分はできる、そんな気持ちが表れています。」と仰っていただき、家庭学習ではもがきながらも、エデュコでは前向きに取り組んでいることがわかり安心しました。その面談で名前が挙がった中学校には、その春の記念祭に訪れてみました。息子の一目惚れです。この学校で学びたいと、すぐに第一志望校が決まりました。


 四年生の頃は、習い事も以前と変わらず、ピアノ・サッカー・スイミングと続けていました。エデュコで新五年生に進級するにあたり、通塾日の変更等で全てを続けることが不可能となりました。基本的にはとても素直な息子ですが、一方で自分のことは自分で決める、納得しないと進まないという頑固さも併せ持っているので、最終的な取捨選択は息子に委ねました。息子の決断は、「エデュコとピアノは続ける。残念だけどサッカーとスイミングは辞める。」でした。


 新五年生の最初の算国授業の日のことは、いまでも鮮明に覚えています。授業終了時刻が午後九時となり、さぞ疲れただろう泣き言をいうだろうか…と思いつつ、いつものように自宅最寄り駅まで車で迎えに行くと、駅ビルから弾むように出てきた息子の姿がありました。「楽しかったぁ!授業時間が長くなったでしょ。でもね、楽しくてあっという間だったよ。」と、エデュコで学べる喜びが全身から溢れ出ていました。理社の受講も始まり、ますますエデュコ好きになっていきました。


 新六年生に進級した頃、新型コロナウイルス感染症の影響が出始めました。学校が長期休校となり、その間エデュコには動画配信授業・ズーム面談と最善を尽くしていただいたと感謝しております。コロナ禍でも息子の目の前には変わらず取り組むべきことがあったのは、幸せなことだったと思います。


 春先、第一志望校受験にはかなり厳しい状況でした。このままでは受験プランの見直しも余儀なくされるのではないか、その時に息子は納得するだろうか、いや、たとえ厳しくても受験させてあげたいと、私の心は揺れ動いていました。
 ピアノは夏の発表会をもって卒業しました。息子なりの有終の美で、気持ちよく受験に専念できる体制となりました。


 根が真面目な息子は、入塾以来、コツコツと必ず宿題をやっていきましたが、やっつけ仕事の時もあり、あっさりとした学習でした。後期が始まる際に湯田先生からいただいたアドバイスは、「算数は再現できるレベルまで念押しする、しつこい勉強を心掛けよう」でした。先生は、ズバリ息子の状況を見抜いていらっしゃいました。あとは息子次第です。
 息子は少しずつ、粘り強く変わっていきました。合不合判定テスト・答案練習会でも親の予想を超える粘りをみせました。時には思うように得点できず、落ち込んで帰宅する日もありましたが、メンタルが鍛えられ、また、気が引き締まり良い経験だったと思います。過去問演習も嬉々として取り組み、初めの散々な結果にもめげず改善していきました。悲壮感は全くなく、「勉強って楽しいね。エデュコだからこそ、そう思えるんだよね。」と、週四日の通塾を楽しんでいました。その様子も見て、第一志望校を受験させようと、親の迷いも吹き飛びました。


 二月、第一志望校への進学は叶いませんでした。入試後、「試験は楽しかったけど、算数が難しかった。エデュコに寄ってスッキリしたい。」と、志木駅の改札を出てから一人エデュコに駆けていきました。先生方に励ましていただき、戻ってきた息子はいつもの元気を取り戻していました。翌日の入試は気持ちを切り替え、平常心で臨むことができました。
 三日の朝、第一志望校の不合格を知りました。湯田先生と電話で話した息子は、「テッカの言葉が心に沁みた。」と申していました。そして、「他のエデュコ生は受かっているといいな。」とつぶやきました。この言葉は息子の強がりだったかもしれませんが、共に頑張ってきた仲間への敬意の表れだと感じました。
 その日、ずっと本屋に行きたかったと、近所の本屋に出かけた息子。購入してきた本の中に数学の参考書があったので、少し驚き笑ってしまいましたが、本当に学びが好きになったのだなと感心もしました。


 第二志望校への進学が決まり(我が家はこの学校も大好きです)、親としては大健闘の受験だったと思っています。「受験楽しかった。今まで支えてくれて、ホントありがとね。」と息子。息子よ、父母も大いに楽しませてもらいましたよ。精一杯、がんばってくれてありがとう。


 エデュコで学んだ日々・先生方による早朝の激励・お心のこもったお手紙は、これからもずっと息子の心に残り、パワーの源となることでしょう。
 息子は、博識でユーモアのある先生方を心から信頼していました。エデュコ生皆さんの存在も、大きな大きな心の支えでした。事務の方々にも大変お世話になりました。「受験体験記」からは沢山の勇気をいただきました。
 エデュコに出会えてよかった。学ぶ楽しさと喜びを教えてくださり、ありがとうございました。
 二十八期生皆さんの明るい未来と、エデュコのますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。