息子の夢の第一歩

28期生(2021年卒) 受験生母・木村縁理

 「僕、芝中、生物部、魚班に入る~♪」

 「!!!!!」

 我が木村家に激震が走りました。
何事にも即断即決、決めたらテコでも動かない頑固者の息子が三年生になるといきなりそう言い出しました。

 息子は小さい頃から魚が大好きで、日本全国・海外の水族館巡りに連れて行かされました。将来は魚博士になりたくて、中学校の部活動は生物部と決めておりました。縁あって芝中学校の文化祭に行った際に、生物部の発表を見て心動かされたようです。こうなると、絶対自分の考えは曲げない息子。中学受験経験の全く無い私達夫婦は、どうしたものかと途方に暮れました。


 ある日の通勤で駅に向かう際に、芝中学校の生徒さんの姿を見かけたので、藁をもつかむ思いでどこの塾に通っていたのかを聞きました(その生徒さんは、いきなり知らないオバサンに声をかけられて驚いたと思います)。そこでその生徒さんからエデュコに通っていた話を聞き、エデュコを知りました。


 入塾にあたっては何度も家族会議を行いました。受験は習い事とは違い、三年間頑張り続けなければいけないこと。検定とは違い、合格点が決まっているのではなく、入学人数が決まっていること。それでも息子は芝中学校に入るために頑張りたいと言うので、入塾することにいたしました。
 入塾時の志望校記入で『芝中学校』と恥ずかしそうに書いた息子。エデュコの先生には「目標は高く!」と励まされたのを思い出します。それもそのハズ。入塾時の息子のスコアは芝中学校には到底及ばずでしたから。


 芝中学校については、その後も何度か文化祭・体験授業・個別相談、東京男子中学校フェスタなどに参加しました。また、他の中学校の生物部も見学し、本当に芝中学校で良いのか意思確認を行っております。私達夫婦も六年間息子をお願いする訳ですから、夫婦共に学校説明会にも足を運びました。教育理念、校長先生のお話に感銘を受け、是非息子を入学させたいと思うようになりました。しかしながら息子は国語が大の苦手、芝中学校の国語の入試問題は全問記述であることから、険しい道のりになると覚悟をいたしました。


 三年生2月より、エデュコ受験勉強スタート。小学校ではできていると思っていた息子は出鼻をくじかれました。自分が井の中の蛙だった、世の中にはできる子がたくさんいるのだと知れたことは本当に良かったと思います。


 学習方法について、分からないところはとことん質問しわかるようにする子なので、エデュコの先生方には本当に感謝申し上げます。帰りが遅いことが多かったので、とことんお付き合いくださったのだと思います。体育会系ストイック男子なので、総合回テストは最優秀賞を取るのだと毎回燃えておりました。
 私達夫婦は自分を追い込む息子のガス抜きに努めました。親としてどう息子に向き合ったら良いのか、幾度となくエデュコの先生方にはご相談させていただきました。エデュコの先生方は毎回丁寧にアドバイスをくださり、本当に心強かったです。
 息子にとってエデュコでの三年間は小学校生活の半分を占めており、かけがえのない時間でした。通っている小学校からは息子一人だったので、どうなるかと心配しておりましたが、良きライバルである仲間に恵まれ楽しく通っておりました。


 六年生に上がるタイミングに新型コロナウイルスで学校が休校になり、エデュコも授業は休講で動画配信となりました。息子も私達夫婦もこの先どうなるかと不安でした。ここでエデュコの学習方法の真価が問われました。
 エデュコは元々家庭学習中心だったので、通塾は無理でしたが学習方法の乱れは一切無かったのです。黙々と学習することに不安になった頃、Zoom(ズーム)による先生方の学習フォローが入りました。そこで息子は一人じゃないのだと勇気づけられました。芝に合格する為に今の自分には何が足りないのかを毎回先生方に質問していたようです。先生方の丁寧な対応のおかげで、成績は安定していたのだと思います。


 入試については、何が起こるかわからないということを身をもって経験いたしました。
 1月10日、栄東中学校では国語で大失敗。三点足りず、まさかの不合格。そこで息子は自信を失い、負のスパイラルに突入。
 エデュコの先生方に励まされ、自信を取り戻す為、急遽城北埼玉中学校を受験することになりました。Web出願の有難さを実感いたしました。こちらでは、特待合格をいただき自信回復。
 1月18日、栄東の借りは栄東で返すと、気合十分で臨み、手応えもあったようでした。が、結果はまたしても国語が足を引っ張り、三点足りずに不合格。
「僕はここぞと言う時に力が発揮できないんだ。」と落ち込む息子。エデュコの先生方に作問者の意図と合わなかったのだと励まされ、少しずつメンタルも回復して来ました。
 1月25日、負のスパイラルから脱却する為、起死回生の気持ちで立教新座中学校を受験。こちらは落ち着いて取り組めて合格。ようやく自信が回復してまいりました。


 第一志望の芝中学校まであと一週間となり、「絶対に2月1日で決める!芝に入る為に三年間頑張って来たのだから!」と意気込む息子でした。
 芝中学校の試験開始は八時半なので、この一週間は脳を早く起こす為に五時起きしました。大好きなお兄ちゃんの夢の為、小学二年生の二男も一緒に起きました。


 2月1日、いよいよ芝中学校入試本番。夫、二男、近所に住む私の両親に見送られ、息子と芝中学校に向かいました。
「やるだけのことはやったけど、ここで合格しないと二度と芝とは関われないんだよね。」と言われ、胸が締め付けられました。
 校門で私に手を振り入試会場に向かう息子の後姿を見て、大きくなったなあと感無量。
「頑張って」と手を振り返しながら涙がこぼれました(お恥ずかしながら)。


 2月1日夜8時、合格発表。家族全員でパソコンを囲み、息子が結果をクリックし、そこには『合格』の文字がありました。家族全員で抱き合って喜びました。
 2月11日、芝中学校の新入生ガイダンスがありました。嬉しそうに制服採寸する息子の姿を見て、ああ、ようやくこの日が来た。本当に良かったと心から思いました。


 三年間の受験生活を終え、息子は夢への第一歩を踏み出しました。これから先、様々な困難が待ち受けているでしょうが、エデュコで培った根性とスキルがあれば大丈夫だと信じております。
 本当にありがとうございました。