息子の中学受験を終えて

27期生(2020年卒)保護者 赤坂 龍弥 母

 三年六か月の受験生活が終わりを告げ、ホッと胸を撫で下ろしていると同時に、エデュコを卒業しなければならないことに、一抹の寂しさを感じている今日この頃です。

 エデュコの先生方、及びスタッフの皆様には、大変お世話になりました。心より感謝申し上げます。そして、二十七期生の皆さん、本当にお疲れ様でした。


 思い起こせば、エデュコで最初に授業を体験させていただいたのは、三年生の夏期講習での齋藤先生の授業でした。時折、ジョークを交えながらの熱のこもった授業に、親子共々引き込まれたことを、今日のことのように記憶しております。当初、本格的に中学受験の勉強を始めるのは四年生からと考えていたため、夏期講習だけを受講させるつもりでした。しかし、五日間の講習を終えた息子はすっかりエデュコを気に入り、息子が自ら「このまま九月からの平常授業も受けたい!」と言ったために、九月から正式に入塾させていただくこととなりました。


 なぜ、数ある受験塾の中から、エデュコを選んだのか。一つには、エデュコを知るきっかけとなったのですが、息子が幼稚園の頃から通っていた学習教室の先生の紹介です。そして、決定的だったのは、同じマンションに住むエデュコを卒業したお嬢様をお持ちの先輩ママが、「中学入学後に改めてエデュコの素晴らしさを実感した。娘は中学に入ってから私が勉強しなさい、と言わなくても、自分から勉強に取りかかるから、本当に手がかからない。これは全てエデュコのお陰だと思う。エデュコに通わせてよかった」と仰っていた言葉でした。中学受験の学習を通して、学ぶこと、考えることの楽しさ、自ら進んで学習に取り組む姿勢や、人に頼らず考え抜く力を養ってくれるエデュコは、中学受験は長い人生においてあくまでも通過点の一つであると考えていた私たち夫婦にとって、まさに理想的な塾であると思いました。


 しかし、入塾してからの受験生活はというと、決して順風満帆ではありませんでした。息子は、エデュコのご指導のお陰で、いったん集中すれば親に頼ることなくどんな難問にでも自ら考え抜き解決しようとする力と習慣は身についていました。しかし、元来、コツコツと丁寧に取り組むタイプではなく、加えて、字も書いた本人が読めないほど乱雑なので、このことを巡って私と息子でバトルしたことも数知れません。ある時、あまりにも適当に書き込んでいる予習シリーズを目にした私は、怒りが頂点に達し、「そんなにいい加減にやるなら受験なんてやめなさい!今から辞めるとエデュコに電話するから!」と、予習シリーズをポリ袋に放り込みながら息子を怒鳴りました(最も言ってはいけない言葉と行動ですね)。すると、息子は「受験はやめてもいいけど、エデュコは絶対にやめたくない。先生の授業は本当に面白くてためになる。エデュコの友達も大好きだから、絶対にやめたくないんだ」と、泣きながら私と夫に訴えたことがありました。その言葉を聞いて初めて、息子のエデュコへの思い入れの深さを知りました。確かに、息子は日頃から「○○君は、普段ふざけたりしてるけど、集中力がもの凄くて算数がよく出来るんだ」「○○君は、勉強ができるだけじゃなく、野球にすごく詳しくて、話してて本当に楽しいんだ」「○○君は、真面目で勉強が出来るけど、ジョークも分かるし優しいんだ」等々、エデュコに尊敬できる友人が沢山いることを、話してくれていました。このように、エデュコで切磋琢磨し合いながら成長できる友達ができたことも、この受験を通して得た財産だと感じております。


 六年の十二月に入った頃から、家庭学習時間のあまりの少なさに見かねた私は再三、「もう少し勉強時間を増やしたら」と言い続けてきました。しかし、息子は最後まで家庭学習時間は平日で一時間程度、休日で二、三時間程度というスタイルを変えませんでした。逆に言えば、エデュコで大変内容の濃い授業を受けていたのだと思います。


 中学受験では、第一志望は残念な結果に終わりました。模試の結果からも、息子にとって決して手の届かないチャレンジ校というわけではありませんでしたが、受験当日の朝から普段あまり緊張しない息子の顔色はよくなく、彼の緊張感がこちらにも伝わってくるほどでした。「緊張しすぎて、普段なら解けるはずの問題も解けなくなってしまっていた。」これが試験直後の息子の言葉でした。

 しかし、二日、三日の入試ではよく挽回したと思います。特に三日の学校は、偏差値的には一日の第一志望の学校よりも高く、また過去問対策もほとんど行っていなかったために、どうなることかと心配でなりませんでした。息子自身も前日に一日校の不合格を知り、睡眠中には、発熱した時のように不安定な心理状態となったので、受験をさせるのをやめようかとも考えました。しかし、起床後、「二日校に合格したのだから、今日の受験はやめてもいいんだよ。」と言った私に、「大丈夫、俺、今日も頑張るよ」と答えた息子。彼にこんな強さがあったんだ、と私は強く心を打たれました。そして、「今日も和光市でジャムに、池袋でテッカに会うんだ」と言って少し早めに出発しました。池袋で、湯田先生に激励と、この日の学校の入試のアドバイスを受けると、息子はすっかり普段の様子に戻っていたので、私も安心して試験会場に送ることができました。最後の試験では、守りに入ることなく果敢に立ち向かい、エデュコで三年半学んだことを全部出し切きることができたようで、受験後は「かなり難しかったけれど、手ごたえはあった」と、とても満足気な表情をしていました。この表情を見て、最後に力を出し切ることができて本当によかったと、心から感じました。


 息子の受験を通して、私たち家族は実に多くのことを学びました。最初から最後まで私たち家族に寄り添い続けてくれたエデュコの先生方に、心より感謝申し上げます。