中学受験を振り返って

31期生(2024年卒) 受験生・保護者(父)

 2月5日、長女の最後の中学入試が終わり、長男の時から足掛け6年続いたエデュコでの生活もフィナーレを迎えました。初めてエデュコを訪れた際は、そもそも中学受験を考えているわけではなかったのですが、先生方、スタッフの皆様が「勉強上手になろう」という言葉のもと、子供たちの将来のためになる受験をと、生徒だけでなく家族にも真摯に接してくださる姿勢に心を打たれ、長いお付き合いをさせていただくことになりました。拙文にて恐縮ですが、感謝の気持ちを込めて、6年間を振り返りたいと思います。

 エデュコとの出会いは、長男が5年生になり、力試しで統一テストを受けるため、事前学習込みでエデュコで受験をさせていただいたことが始まりでした。そのときの事前学習がわかりやすかったとのことで、長男がエデュコの夏期講習を受講し、算数を担当していた川橋先生から、授業に臨む姿勢が積極的だということで中学受験を勧められ、遅まきながら5年の秋からエデュコに入会させていただきました。

 長男はスタートが遅かったことと、体操、水泳、書道、英会話と他の習い事も続けながらの受験勉強であったこともあり、なかなか他のエデュコ生に追いつくことはできませんでした。それでも、学校の宿題は休み時間のうちに終わらせて、家ではエデュコの勉強に専念できるようにしたり、授業は毎回前の席で受けられるよう、他の習い事からエデュコまで走って登校したり、精一杯努力して、なかなか近づかない志望校を必死に目指していました。
 受験の結果は厳しいものであり、望んでいた結果は得られず、最後の入試の合格発表を見て、長男は声を上げて涙を流しました。長男は春から高3になり大学受験を迎えますが、中学受験の悔しさを糧にして、中学・高校では成績上位を譲らず、中学受験を通じて勉強という勝負に厳しく臨むという姿勢を身につけることができたようです。


 そんな兄の背中を見て育ち、また、兄が進学した学校の雰囲気が気に入ったため、長女も早くから私立の中学への進学を希望しておりました。兄に比べて学力も勉強への姿勢も物足りなかったのですが、本人の強い希望もあり、エデュコにお世話になることとさせていただきました。


 長女は3年生からエデュコに通い始めたのですが、特に算数が苦手で、5年生になり内容がかなり高度になってくると、総合回テストにも全く歯が立たなくなりました。他方、長男のように危機意識をもって必死に勉強することもなく、マイペースでできる分だけ勉強するという感覚だったので、この時期は何度も、中学受験をこれ以上続けるのか、それとも、受験はやめて習い事に打ち込んだり、友達との時間を大切にするのか、と長女と激論を交わししましたが、長女は「受験はやめない!エデュコに行かせてくれなくても自分で勉強する!」と、私立中学を目指すという目標は頑なに守り続けました。
 今、思い返せば、どんな状況でも諦めないこの姿勢が長女の力の一つだと気付かされました。先生方にも、なかなか成果を出すことができない中で、厳しくも温かく長女を指導していただき、感謝申し上げます。この時期に親が気付くことができなかった娘の成長を見つけて肯定し、伸ばしていただいたことが、長女の気持ちを支えになったと思います。

 なかなか勉強に身が入らなかった長女ですが、6年生になり、周りのエデュコ生が受験モードに入ると、少しずつではありますが、長女も勉強しなければという意識が強くなってきました。夏休みには、「家にいると遊んでしまうから」と言って、夏期講習の日には早くエデュコに行って自習し、終わった後も自習してから帰るなど、中学に進学したいという目標に向かって、自分で行動できるようになりました。合不合などの外部模試の成績はなかなか伸びなかったのですが、9月から始まった答案練習会では、同じエデュコ生同士の良い意味でのライバル意識もあってか、徐々に志望校に近づくような結果をだすようになりました。

 長男も、自分の受験のような悔しい思いをさせたくないと、部活もあって忙しいにもかかわらず、積極的に長女の勉強をみてくれました。直近で受験を経験し、普段から仲の良い長男が真剣に勉強をみてくれたことは長女の心にも響いたようで、エデュコOBでもある長男が大きく背中を押してくれました。

 1月に入り、埼玉入試が始まりました。まだまだ幼いと思っていた長女が、遂に自分の力で6年間の進路を決める戦いに臨みました。内山先生にも、朝早くからの激励や毎回の受験後にフォローの電話を入れていただき、きめ細かにサポートしていただきました。紆余曲折はあったものの、埼玉受験では想定どおりの結果を得ることができ、2月の受験に臨みました。
 2月の受験は長女にとって厳しいものでした。第一志望に3度挑戦しましたが扉を開けることができず、3日に合格発表を見たときには結果に涙していました。ただ、5日に最後の試験を残しており、私の母が病気で倒れてしまうというトラブルもありましたが、気持ちを切り替えて勉強を始め、5日の試験では気合いを入れ直して受験しました。

 長女は受験を終え、毎日進学先のパンフレットを見ながら、4月から始まる中学生活に期待を膨らましています。私個人としては、小学生のうちは友達と遊んだり、趣味やスポーツに打ち込んで、勉強以外の経験をたくさん積んでほしいという思いから、エデュコに出会う前は中学受験にネガティブなイメージを持っていました。しかし、中学受験を通じて、子供たちが大きな壁にぶつかりながら成長していく姿や、兄が妹をしっかり支えている姿をみて、勉強であっても、というより、勉強に真剣に臨んだからこそ得られる人間的な成長があるのだと気付くことができました。目先の合格という成果だけでなく、「勉強上手になろう」という人生の糧を得ることを目標としたエデュコに出会えたことは、受験を通じた二人の成長に大きく繋がったと、改めて感謝申し上げます。
 子供たちは、これからの長い人生で、より高く複雑な壁に立ち向かってかなければならないでしょう。そんな時、エデュコで中学受験に立ち向かった経験や、そこで築いた人間関係を大切にして、果敢に乗り越えてくれればと思います。