中学入試から学んだこと

31期生(2024年卒) 受験生・保護者(父)

 わが家が中学入試に向かったのは、高校入試を回避するためでした。複数の知人から、内申点が思ったより低くて志望校を変更したという話を聞き、試験の点数で合否が決まる中学入試のほうがフェアだと考えたからです。

 塾に通い始めるとして、現在の娘を知ってくださっている方からは意外に思われるかもしれませんが、当時の娘の性格からすると、関係性のできあがっている集団に後から入ることには困難が予想されたため、小学3年生の後半から準備して、4年生から本格的にスタートすることを計画しました。

 塾選びに際しては、近くに住む中高一貫校の生徒さんがエデュコに通っていたとのこと。さっそく説明会にうかがい、湯田先生の語られる理念と方法論に共感して入塾を決めたものの、入塾テストは不合格。しばらく準備期間を設けたのち、再度の入塾テストを経て、なんとか入れていただきました。


 楽しく塾に通い始めたものの、学習面では思うようにはいきませんでした。とくに算数では、解法の理解に時間がかかり、問題の演習量が限られ、なかなか挽回できないという悪循環が起こっていました。もっと保護者が手を出せばよかったかと悔やむ反面、保護者があまり手を出さなかったことで、娘が自分のこととして学習に向き合うようになったのだと思うことにしています。実際に、娘は日々、つたないながらも偽らずに自分の力で課題に取り組んでいました。もちろん、それはエデュコの先生方の、ときに優しく、ときに厳しい働きかけのおかげであったことは言うまでもありません。


 6年生への進級を前に、予習シリーズの改訂で内容が難しくなったことを受けて、算数の基礎クラスを新設するというご案内をいただきました。うちの娘のためにつくってもらったものと思い、喜んで受講させていただくことにしました。この6年前期の週1回の志木校への旅のおかげで、ゆっくりではありますが、少しずつ解法の要領を得たようでした。また、この日々が「受験生」へと気持ちを切り替えるきっかけになったような気がします。

 受験本番はあっという間に訪れました。1月の埼玉では、なんとか一つ合格をいただいたものの、全般的には苦戦を強いられました。ただ、不合格だった学校について、もう一度受けたいと言い出したところに、気持ちの成長を感じました。

 2月の東京を迎えるにあたり、1日午前の第一志望校受験は変更しないと決め、それを軸にやや強気の出願をしました。厳しい展開となり、心の準備はしていたつもりでしたが、一日一日がとても長く感じられました。日々、結果が出るたびに川橋先生からお電話をいただき、そこで本人も保護者も一区切りをつけて翌日に向かっていけたように思います。

 そんな日々を5日まで続け、娘の中学入試は終わりました。幸いなことに東京でも合格をいただくことができ、4月から通う学校が決まりました。幼いころ、争うことが嫌いで、競争ならばやらないと言っていた娘が、苦手なことに向き合い、結果を受け止めながら、強い意志を持って最後までやりきれたことを褒めてあげたいと思います。

 エデュコの先生方は、教材について「手がける」とおっしゃいます。解答の正誤に一喜一憂するだけでなく、解答に至る過程を重視して、折に触れて復習するところまでを視野に入れて、教材を丁寧に取り扱っていくあり方が、そのことばに込められているのではないかと拝察します。学習に関してここで身につけた姿勢は、きっとこれからも役立つことでしょう。ひとまず、中学入学後もドジノートの作成を励行したいと思います。そして、なによりも中学入試という壮大な教材を手がけることで、娘だけでなく保護者も、多くのことを学ばせていただきました。エデュコという塾で、多くの先生方に出会い、娘は、そしてわが家は中学入試を乗り越えることができました。先生方のご指導と、このご縁に心から感謝申し上げます。