中学受験を振り返って

31期生(2024年卒) 受験生・保護者(母)

 例年の受験体験記を読んでいて、保護者の皆様の文章の上手さに尻込みしていたので、体験記を書くことを迷いましたが、湯田先生が何度も子ども達に仰っていた言葉『挑戦することで失うものは何もない』を、自分にもいい聞かせ(大袈裟ですが)提出することを決めました。


 振り返ると息子が初めてエデュコに足を踏み入れたのは、彼がまだ幼稚園児で、長男の『齋藤先生との面談』に付き添ってきた時です。(長男もエデュコ生だったのですが色んなことが重なってしまい、一度受験をするか再考しようとなり途中で退会しています。そのため長男の時に入塾説明会で感銘を受けていたものの、再びエデュコの扉をノックすることに少し気後れしましたが、その心配は杞憂に終わり湯田先生をはじめ他の先生方も長男のその後の進路を気にかけていただき、面談のたびに「お兄ちゃん元気?どうしてる?」と声をかけてくださりました。)


 長男の中学受験の経験から個人的には「尻を叩きまくって追い詰めてまでやることではない」と痛感していました。なので「なるべく口を出さずに本人に任せよう、結局は本人がどうしたいか、どうするか、なのだから」と、『頭では』理解しているもののお弁当作りや送迎、学校の説明会やイベントのネット予約争奪戦、スケジュール管理、体調管理など親の負担も多く、それをよそにゲームしたりだらだらされたりすると、こちらもストレスが溜まりついつい苦言を呈してしまう日々。


 また息子はとても負けず嫌いなので、「もう少しで解けたのに時間切れでマルがもらえなかった!」と悔し泣きをして「テッカのクラス辞める!」と泣いて、「バリのクラスに戻る!」と言ったと思いきやその数ヶ月後には「テッカのクラスに戻って見返して(?)やる!」と言ったりして私もかなり振り回されました。その度に先生方に面談やメールで相談に乗っていただき、おおらかに見守っていただきました。
 時には両方のクラスでの様子を見学させてもらいました。まだ幼さがあったので授業中に解けなくて悔し泣きする姿を目の当たりにし切なくなったり。(斜め後ろから見ていて発覚。本人は泣いているのが バレないように下を向いて耳を真っ赤にしてこらえていました。)


 それでも「辞めたい」とは絶対に言わない。ほぼ週の半分は塾に通い、勉強勉強の日々なのにエデュコに通うことを嫌がったことは一度もなく、私とバトルした日も「もうエデュコ行く時間だから!」と説教をさっさと切り上げ準備して向かう姿に腹が立ちながらも感心しました。
 受験間近なのに緊張感がなく、ぐうたらしている時、兄に「お前な、どっかで俺は大丈夫とか思ってるんだろ。本当に『一点の差』で決まるんだぞ」などと実感のこもった注意を受けたり。(後日、まさにこの言葉の意味を息子自身が痛感することになります…。)


 そんな息子が最後の授業を終えて帰宅した際、「授業今日で最後だったね」と話しかけたら 「あ〜あ!終わっちゃった!中学受験は嫌だけど、エデュコの授業はずっと受けていたい!」と言ったのです。中学受験を未経験の私からしたらそう思えることってすごいなと驚きました。
 最後の授業では子どもたちから自然と拍手が沸き起こったと聞いて、「ああ、もう合否に関係なくこれだけで全て百点満点だな」と思いました。世間では過酷だと思われがちな体験をしているにもかかわらずそれを全くそうと思わず、むしろ前のめりで楽しみ、成長してくれました。


 常に子どもの立場を想い、ポジティブに背中を押していただき、貴重な体験をさせてくださったエデュコの先生方には感謝しかありません。本当にありがとうございました。
 親子共にもう通えなくなることを寂しく感じますが、先輩方がしてくださったように、お菓子を持って激励に行くことを楽しみにしています。
 この唯一無二で素敵な学舎の、益々のご発展を感謝と共に心よりお祈り申し上げます。